2009-11-07

国民を侮ってはいけない。

こんないい加減なことが罷り通っていいとはとても思えない。「官房機密費」のことである。政権交代に国民が期待したことの一つは、自民党政権の「膿」を徹底的に出して、大掃除をすることであった。鳩山首相も所信表明演説でその旨を主張していたのではなかったか。ことは「税金」である。「ムダ」を省くという「ことば」が泣く。簡単に前言を翻してもらっては困る。もう初心を忘れたのだろうか。国民の期待を裏切り続けると国民はいつまでも黙ってはいないだろう。それほど悠長に構えていられる状態にないというのが今の国民の正直は実感だろう。国民を侮ってはいけない。一つひとつの積み重ねが大事なのである。しっかりしろと言っておく。特に平野某には厳しく言っておこう。目的と手段をはき違えるな。薄汚い浅知恵が鼻に突く。

(引用開始)


官房機密費―この豹変は見過ごせぬ (「社説」Asahi.com 2009年11月7日(土)付)

民主党は、自民党の長期政権時代のうみを取り除くのが使命と言ってきたのではなかったか。それなのに、鳩山由紀夫首相や平野博文官房長官のこの対応は理解しかねる。

官房長官が使途を公開せずに使える内閣官房機密費について、歴代政権と同様、使途や金額を明らかにしない方針を打ち出したことだ。首相は「国民の皆さんに全部明らかにできるたぐいのものではない」と述べた。

しかし、機密費の不明朗さを批判し、情報公開を求めてきたのは民主党自身だ。

年間約14億円、1日あたりにすれば400万円にのぼる機密費の使途は、内政、外交全般にわたる政府の情報収集の対価などとされている。

だが、その一方で、海外に出張する政治家への餞別(せんべつ)、与野党の議員に対する背広代やパーティー券購入などの国会対策に充てられていたことも明るみにでている。外務省の官僚が5億円以上の機密費をだまし取り、競走馬やマンションを買っていたこともあった。

こうしたデタラメな使い方がまかり通ってきたのは、機密費が領収書のいらない金で、使途を明らかにする必要がなかったからだ。

もちろん、情報提供者の氏名など、明かせない情報も少なくなかろう。ただ、外交文書などと同様、一定期間を過ぎたものについては、可能な範囲で情報を公開する仕組みを考えるべきだ。いずれ公開されるという緊張感があって初めて、機密費の不適切な使用に歯止めがかかる。

民主党もそう考えたからこそ、野党時代の01年、機密性の高いものは25年、それ以外は10年後に情報公開を義務づける官房機密費流用防止法案を国会に出したはずだ。(略)



志位委員長質問が明らかにした これが内閣官房機密費ヤミの工作資金の実体だ (「しんぶん赤旗」2001年2月18日(日))

(略)機密費とは 領収書不要。使途も支出先も明かされず

機密費というのは、「報償費」の名称で計上されています。戦前、法律で会計検査の対象からはずされ、使途がほとんど不明となっている「機密費」の系統をひくものです。

政府は、「報償費」について、「国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の任務と状況に応じ、その都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費」(政府答弁書、昨年十月十七日)と説明しています。

使途も、支出先の証明や使用目的の公開も不要の予算です。領収書もいらず、何に使われたのか、国民にはいっさい明らかにされないヤミのお金です。政府は、国会で問題にされるたびに「報償費」の説明をくりかえし、「(行政遂行に)支障を生ずることとなるため、具体的な使途等は公にしないこととしている」(政府答弁書)と使いみちの公表を一貫して拒否しています。

計上額は、二〇〇〇年度予算で、内閣官房報償費は十六億二千四百万円(内閣情報調査室分含む)。外交機密費は、外務本省分が十九億千六百万円、在外公館分三十六億五千万円(政府開発援助報償費含む)で、総額五十五億六千五百万円以上にのぼります。

他の省庁でも、防衛庁二億千三十九万円、皇室一億九千七百万円、警察庁一億三千七百五十万円、法務省二千三百五十六万円など、それぞれ計上されています。金額面では、官房機密費、外交機密費は際立っています。官房機密費の計上額は、実は表むきで、その倍額以上を外務省分にもぐりこませ、「上納」させている疑惑がもたれています。(略)

(引用終了)