2009-10-24

フィルム・ノワールFilm Noir

このところ古い映を続けて観た。WOWOWが特集で「フィルム・ノワールFilm Noir」(仏語で、暗黒映画)と呼ばれる一連の映画を放送した。1940年代前半から1950年代後期にかけて、主にアメリカで製作された犯罪映画で、影やコントラストを多用した色調やセットで撮影され、行き場のない閉塞感が作品全体を覆っている。夜間のロケーション撮影が多いのも特徴とされる。

「多くのフィルム・ノワールには、男を堕落させる「ファム・ファタールFemme fatale(運命の女、危険な女)」が登場する。また、登場人物の主な種別として、私立探偵、警官、判事、富裕層の市民、弁護士、ギャング、無法者などがあげられる。フィルム・ノワール以前の映画と大きく異なる点は、これらの登場人物が、職業、もしくは人格面で堕落しており、一筋縄ではいかないキャラクターとして描かれている点である。彼らは、シニカルな人生観や、閉塞感、悲観的な世界観に支配されている。登場人物相互間での裏切りや、無慈悲な仕打ち、支配欲などが描かれ、それに伴う殺人、主人公の破滅が、しばしば映画のストーリーの核となる。ストーリーの展開としては、完全に直線的な時系列で物語が語られることはまれであり、モノローグや回想などを使用して、物語が進行することが多い。」(Wikipediaより)



今回観たのは、古い順に、「飾窓の女The Woman in the Window」(1944)監督:フリッツ・ラング、「上海から来た女The Lady from Shanghai」(1948)監督兼主演:オーソン・ウェルズ、「ショックプルーフShockproof」(1949年)監督:ダグラス・サーク、「秘密調査員Undercover Man」(1949年)監督:ジョゼフ・H・ルイス、「大いなる夜The Big Night」(1951年)監督:ジョゼフ・ロージー、「キッスで殺せKiss Me Deadly」(1955年)監督:ロバート・オルドリッチ、「夕暮れのときNightfall」(1957年)監督:ジャック・ターナー。
(これとは別に、wowowでは近未来映画の金字塔「ブレードランナーBlade Runner」(1982年)監督:リドリー・スコットも先ごろ放送した。これもフィルム・ノワールの風合いがあり断然お勧めの映画である。)

白黒映画の肌触りがしっとりとこころを覆ってくれる至福の時間を味わうことが出来る。特徴としては、「一筋縄ではいかないキャラクター」というのはそのとおりで、二項対立的はものの見方はとらない。正義の味方と思いきや、社会の規範を飛び越えて欲望の虜になっていく、とか、悪逆非道な犯罪者かと思いきや、妹思いの兄だったり、とか、興味深い人間観が垣間見える。人間の本質というものが否応なく表出される「戦争」というものが時代背景にあることも考えれられる。お馬鹿のブッシュ・コイズミ式の単純な敵味方論的「勧善懲悪」ものでない「大人」の味わいが、私の好みに合うんだなぁ。



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