記者のお座なりの質問に「もっと勉強して質問してよ」と辛らつな応答をしていたのが印象に残った。記者会見を小沢幹事長は真剣勝負の場と心得ている。ところが既存メディアの記者は単なる記事ネタ探しの場と勘違いしているらしい。この落差がこんなやり取りとなって現れたのだろう。これが一回ではなかった。
中でネット・メディアの記者が「自民党の参議院議員の中には、自民党に絶望してうつろな眼をしている人がいる。民主党に移りたがっている。幹事長はこれらの議員を民主党に入れる考えはないか?」というような趣旨のすこしはっとするような質問をした。このとき、小沢幹事長は大笑いで応えて、次の瞬間には表情を引き締め直して、「うつろな眼をしている議員がいるかどうかは知らない。あくまで参院選は正攻法でいく。」と答えていた。
奇しくも、これは既存のメディアとそうでないメディアの違いが現れたものと感心した。
もう一つ、既存メディア以外の別の記者から、鳩山政権が記者会見をオープンにしていないことをどう思うか、との質問が飛び出し、「私は初めからオープンですよ。自民党時代から。政府のことは私の権限外。首相に聞いてくれ。」と返答していた。これは政府と党を完全に分離するという原則論からだろうが、記者会見に出て質問をできない記者からすれば、ちょっと木に鼻をくくったような答えで納得ができなかったのではないかと思った。
いずれにせよ小沢幹事長の記者会見は以前通りオープンであったこと、記者会見が真剣勝負の場になりそうな気配がすること、これがこの記者会見のことを書きたかった理由である。これからも注目していきたい。