「人は知らないものを深く愛することが出来る、しかし、愛さないものを深く知ることは出来ない」 (from "A Handboolk of Aphorisms" by Simon May)
2010-08-04
北の国から'87初恋~泥の付いた一万円札
「北の国から 87初恋」のラストシーンを見ていた。シりーズ中、屈指の名場面。目に涙がにじむ…。純が東京へ旅立つ。
五郎:(運転手に)それじゃよろしくお願いします!
蛍走って、純の側へまわる。
トラック、スタート。
蛍:(叫ぶ)れいちゃんの居場所わかったら教えるから!
純、首を突き出す。その目に…。雪の中に立った父と妹の姿…たちまち遠ざかる。
走る車内
純。
こみ上げてくる涙をかくすように、窓を閉める。
純:(運転手に、小さく。)ヨロシクオネガイシマス
運転手(古尾谷雅人ふるおやまさと・1957年 - 2003年):…
純:…
純、ウォークマンをつけボタンを押す。
尾崎豊のI LOVE YOUが流れだす。
記憶(フラッシュ)
れい
走る車内
純。
記憶(フラッシュ)
れいとの記憶。
走る車内
純。
窓
続く雪道。
走る社内
純。
そのイヤホンが突然抜かれる。
純:ハ?
運転手を見る。
純:すみません、きこえませんでした。
運転手、フロントグラスの前に置かれた封筒をあごで指す。
純:ハ?
運転手:しまっとけ。
純:…何ですか。
運転手:金だ。いらんっていうのにおやじが置いていった。しまっとけ。
純:あ、いやそれは。
運転手:いいから、お前が記念にとっとけ。
純:いえ、アノ。
運転手:抜いてみな。ピン札に泥がついている。お前のおやじの手についてた泥だろう。
純。
運転手:オラは受取れん。お前の宝にしろ。貴重なピン札だ。一生とっとけ。
純。
…。
恐る恐る封筒をとり、中からソッと札を抜き出す。
二枚のピン札。
ま新しい泥がついている。
純の顔。
音楽…テーマ曲、静かに入る。B・G。
純の目からドッと涙が吹き出す。
音楽…エンドマーク