2010-10-04

ナルシスト

毎日新聞の世論調査。沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件を巡り、9月8日に中国人船長を逮捕した判断の是非を聞いたところ、「適切だった」が83%、同25日に釈放した判断については「適切でなかった」が74%。中国人船長の釈放を「検察の判断」とする政府の説明に対し、「納得できない」との回答が87%。「政府が政治判断を示すべきだった」との回答が80%。

要するに、大本営発表報道で一色のマスゴミの論調がそのまま「世論調査」結果になっているだけの話。つまり、百戦錬磨、成熟した中国の国民と違って、この国の国民の「メディア・リテラシー」が恐ろしく低く、世間知らずの箱入り娘もかくや、全く未成熟だということをよく物語っているのが「世論調査」=正しくは、マスゴミの世論操作の影響力調査w

私の意見。9月8日に中国人船長を逮捕したことは、国益を損なう結果を招いた最悪の判断という意味で、全く「不適切だった」、同25日に釈放した判断については、更なる最悪の事態を回避することを最優先するという意味で、カッコつきの「適切だった」、と世論と真逆。中国人船長の釈放を「検察の判断」とする政府の説明に対し、「納得できない」。「政府が政治判断を示すべきだった」、には同意。責任放棄だし、中国への政権としての姿勢を示す機会を自ら放棄したという意味から。つまり、この政権のやったことの結果は、まったくもって「不適切」だった、ということに尽きる。


ことを起こさず現状維持がもっとも国益にかなうのに、あえてことを起こしたために却って国益を損ねた。中国に誤ったメッセージ、強く出れば日本は易々と屈する、政治的軍事的に強く出たほうがいいんだ、という誤ったメッセージを送ってしまった。無責任でまともな政治判断すらできない政権だと、中国からはバカにされ、当てにできない国だと、周辺国からは甘く見られることとなった。しかもこの最悪の政治的判断の背景に、外務官僚がサボタージュを決め込んでいたということあるようだ。「裸の王様」状態。


岡田や前原のその後の言動を聞いていると、最悪の結果だったという認識すら全くないらしい。事実に基づいて判断する、自分の考えを事実に基づいて修正する、というまともな学習能力すらもないのではないか。ということは、これからも最悪の判断をする可能性が極めて高いということだろう。恐ろしい。ここまで見せ付けられると、こと外交に関しては、まことに凄まじい危険な政権だ、と断ぜざるを得ない。すくなくとも前原は即刻更迭すべきだろう。よってスッカラカン内閣を、ナルシスト=自己中=内弁慶=自爆テロ内閣と命名する。


あらためて、孫子。彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず。彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必らず殆うし。この国の国民と政治家のあまりの「未熟」さに戦慄を覚える。